私たちの暮らしをぐっと便利にしてくれるAI(人工知能)。
スマートフォンの案内やお掃除ロボットなど、今や頼もしい存在になっています。
しかしその一方で、最近テレビのニュースなどで「AIのトラブル」を耳にすることが増えていませんか?
「イラストや音楽が勝手に真似された」「大好きな声優さんの声が盗まれた」といった問題から、一見すると本物にしか見えない「ニセモノの動画」まで、実は様々な罠や問題が起きています。
この記事では、今まさに日本で起きているAIのトラブルと、私たちが騙されないための対策を優しく解説します。
正しい知識を身につけて、安全に、そして賢くAIと付き合っていきましょう。
なぜニュースに?イラストや声の「無断コピー」問題
今、テレビや新聞で一番取り上げられているのが、著作権やマナーに関するトラブルです。
AIは、インターネット上にある膨大な画像や文章を読み込んで、勉強(学習)をしています。
しかし、その勉強のやり方に大きな問題が起きています。
1. 画家のイラストを勝手に真似して描く
ある画家(クリエイター)さんが、一生懸命に努力して描いた素敵なイラストがあるとします。
AIはそのイラストを勝手に読み込んで、その人の「描き方のクセ」や「色使い」をそっくりそのまま真似した絵を、ほんの数秒で作れてしまうのです。
これでは、本物の画家さんの努力や仕事が奪われてしまいます。
イラストや小説などの文章作品というのは、その人の努力だけでなく、人生観や性格などの個性を含めて作りだされる「オリジナル」です。
本人が特別に許可していない限り、それらを模倣することは許されるものではありません。
2. 声優さんの声を勝手に喋らせる
アニメなどで活躍する声優さんの「声」をAIに覚えさせ、本人が言ってもいない言葉を本物そっくりの声で喋らせる、歌わせるなどのトラブルも起きています。
大好きなファンの人たちを騙すような動画が勝手に作られ、声優さんたちがとても悲しい思いをしています。
「技術の進歩」に「法律」が追いついていない
これらは、人間の世界で言えば「泥棒」や「ずるい真似」に見えますが、AIの世界ではまだ法律やルールがしっかりと追いついていません。
そのため、作っている会社や国、そして使う人間のマナーが今、激しく問われています。
見破れる?本物そっくりの「ニセモノ動画・音声」
AIの進歩によって、今まではあり得なかったような巧妙なだましの手口が生まれています。
ニュースでも注意が呼びかけられている2つの罠を紹介します。
1. 有名人が投資を勧める「ニセの広告」
テレビでよく見る有名な司会者や社長さんが、「この投資は絶対に儲かります!」と喋っている動画がインターネット上で流れることがあります。
実はこれ、AIで作られた本物そっくりのニセモノ動画です。
本人の顔や声を勝手に使って、お金をだまし取ろうとする悪質な詐欺が増えています。
2. 家族になりすます「オレオレ詐欺」
これまでのオレオレ詐欺は、犯人が声を変えて電話をかけてきていました。
しかしこれからは、お孫さんや息子の「本当の声」を少しだけAIに覚えさせ、本物そっくりの声で「お金が必要なんだ」と電話をかけてくる恐れがあります。
罠にはまらないための「安心の対策」
こんな怖い話を聞くと不安になりますが、次のふたつの約束を守れば、絶対にだまされることはありません。
- 「お金」の話が出たら、一度電話を切ってかけ直す
どんなに本人の声に聞こえても、慌ててすぐにお金を振り込んではいけません。
必ずいつも使っている番号にこちらからかけ直して、本人に直接確かめてください。 - インターネットのうまい話を信じない
有名人が勧めていても、「絶対に儲かる」という話はまず疑いましょう。
周りの家族や警察、消費生活センターに相談することが一番の身の守り方です。
知らずに傷つけていない?自分が「加害者」にならないためのマナー
AIは誰でも簡単に使えるからこそ、私たちが気づかないうちに「だます側」や「泥棒の仲間」になってしまう危険があります。
次の2つのことに気をつけて、正しくスマートに使いましょう。
1. AIで作ったイラストや写真を「自分で描いた」と言わない
AIに「かわいい猫の絵を描いて」と頼むと、まるでプロの画家が描いたような素晴らしい絵が数秒で完成します。
それをインターネットのブログやSNSに載せること自体は構いませんが、「私が一生懸命に描きました!」と嘘をついて発表してはいけません。
AIの裏には、その描き方を学習されてしまった本物の画家さんがいます。
その方たちの気持ちを傷つけないよう、AIで作ったものは「AIで作りました」と正直に伝えるのがマナーです。
そもそも、画家が許可していないことがほとんどなため、「〇〇(作品)に似せて作って」といったように、誰かの作風に似せたイラストや写真は作らないようにしましょう。
2. 本人そっくりの声を「おもしろ半分」で作って流さない
大好きな歌手や声優さんの声をAIで再現して、自分の好きな歌を歌わせたり、おしゃべりをさせたりする動画がインターネットで見つかることがあります。
「ファンだから」「おもしろいから」という理由でも、本人の許可なく声を作って周りに広めるのは、その人の権利を傷つけるいけない行為です。
「みんなやっているから」と真似をせず、ダメなことには手を出さない勇気を持ちましょう。
ただし、一部許可されているものもあります。(ひろゆきメーカーなど)
それらも、マナーを守って使うように心がけましょう。
3. AIが作った「フェイク(嘘)ニュース」や写真を広めない
AIに「びっくりするようなニュースを書いて」と頼むと、まるで本当の新聞記者が書いたような、もっともらしい文章が完成します。
また、実際には起きていない大洪水や、存在しない大事件のリアルな写真も作れてしまいます。
「みんなに教えてあげなきゃ!」と親切心から、その文章や写真をそのままインターネットのブログやSNSに載せてしまうと、大変なデマ(うそ)を世の中に広めることになってしまいます。
AIが作った情報は、必ず「これって本当にあったことかな?」と、一度立ち止まって公式のネットニュースや、テレビや新聞などの確かな情報と見比べる癖をつけましょう。
正しい知識が、あなたと大切な人を守る盾になる
AI(人工知能)の進化はとても素晴らしく、私たちの暮らしを豊かにしてくれる可能性に満ちています。
しかし、どんなに便利な道具でも、使う人間のマナーや悪意によって、誰かを傷つける武器になってしまうことがあります。
今、日本中で起きているトラブルの多くは、まさにその「使い方の問題(利用者の問題)」です。
大切なのは、AIを過度に怖がったり、逆に何でも鵜呑みにして信じ切ったりしないことです。
- 「お金」や「うまい話」には、一度立ち止まって疑ってみる
- AIを使うときは、現実世界と同じマナーや思いやりを持つ
この2つの約束を頭の片隅に置いておくだけで、トラブルの罠はほとんど防ぐことができます。
新しい技術だからこそ、正しく知って、安全に、そして賢く。
これからの便利なAI社会を、あなたらしく楽しんでいきましょう!

